アメリカはアフガニスタンを破壊し尽くすつもりなのか?!
今すぐ空爆と一切の戦闘行為を中止し、
アフガンと周辺地域から完全撤退せよ!
米は戦争拡大・遂行態勢をやめよ!



 アメリカは14日、アフガニスタン東部のザワル・キルに集中的な爆撃を加え、50以上の洞窟を破壊し多数の死者が出ていると伝えられている。トラボラを破壊し尽くし、ホーストを破壊し尽くし、人の潜む可能性のなくなるところまで文字通り焦土にした上で、攻撃対象を次々と変えて行っている。アメリカはアフガニスタンを破壊しつくすつもりなのか。「ビンラディン氏」の所在不明を認めた上でのこのような攻撃はどういう意味を持つのか。攻撃されているのは、抵抗や反撃をするどころか、一日を生き延びるのさえやっとの飢えた人々である。
 アフガニスタンでは、年末も年始も空爆にさらされ、わずか一週間で150人もの子どもたちや母親たちがアメリカ軍によって殺された。新年を祝い夢を膨らますべき子どもたちに与えられているのは、飢えと寒さ、爆撃と死だけである。
 マスコミが、被害より米報道のビンラディン氏の行方ばかりを報道することで、無理矢理「捕捉作戦」に関心を向けさせられている。しかし大事なのは罪なき人々の被害である。今すぐ空爆と一切の戦闘行為の中止、アフガンと周辺地域からの完全撤退を要求する。

今年に入っても空爆は続き、多数の犠牲者が出ている

■12月28日夜から29日未明にかけてパクティア州シェカーン村に対する空爆で女性、子どもを含む少なくとも15人が死亡。
■12月30日、パクティア州のニアジカラ村の空爆で107人が死亡。
■1月3日米軍は、新年に入って初めてザワル一帯に空爆。4日には、少なくとも住民32人が死亡。死傷者数はさらに増える可能性がある。 
■1月6日より米軍はトラボラからホーストに集中空爆を変更。現在、より強力な爆弾へとエスカレートしている。
■アメリカは14日、アフガニスタン東部のザワル・キルに集中的な爆撃を加え、50以上の洞窟を破壊し、多数の死者が出ている。

 餓死・凍死の危機が迫り、難民は新たに発生している

 昨年12月はじめ、アフガニスタン北部のクンドゥズ近くの難民キャンプで、177人が飢えと寒さにより死亡したことが明らかにされた。空爆と内戦の混乱で毛布や食糧、医薬品が届かず、−20度にもなる酷寒の中で凍え死んだ大多数は子どもであった。しかしこれは氷山の一角にすぎない。24000人が暮らすバグヒシャルカト難民キャンプでは、12月に入っての2週間だけで215人の子どもと女性が死亡した。激しい戦闘があったマザリシャリフでは食糧・医薬品の欠乏で2ヶ月間で1500人の子どもが死亡した。ユニセフは特に北部で危機が迫っていると警告を発している。大多数の子どもたちはなんらかの病気にかかっている。 
 今年に入ってカンダハル近くのパキスタンの国境付近の町チャマンに4〜5千人の難民が殺到した。「難民帰還」が宣伝されているが、実際は空爆や内戦、飢餓から逃れるため新たな難民が生まれている。

アメリカはあと何人殺せば気が済むのか。

                 
 ヘロルド教授が明らかにした4000人の市民の犠牲者の数はきわめて控えめである。援助物資の欠乏や飢えや凍えで死んだ人、戦闘行為で死んだ兵士、また捕虜などは含まれていない。これらをあわせればおそらく1万人を越えるだろう。しかしこの4000人でもすでに、2893人(1/11発表)の米のテロ犠牲者の数を大幅に上回っている。アメリカはあと何人殺せば気が済むのか。しかも、凍死・餓死という、人間の死に方のもっとも残忍なやり方で、子どもたちばかりを!
 ヘロルド教授は「メディアが着手しないから私が取りまとめたのだ」と被害報道をしないマスコミを批判するとともに、これらは誤爆ではなく意図的な殺戮であり、民間人の犠牲の黙殺、アフガン人の命の軽視・無視であると米政府とペンタゴンを厳しく批判した。

 米は戦争拡大・遂行態勢をやめよ!

 8日、ウォルフォヴィツ国防副長官は、「テロとの戦争」の対象国として、ソマリア、イエメン、インドネシア、フィリピンを名指しした。特にソマリアにはすでに特殊部隊が送り込まれている。また、フィリピンとのテロ対策の合同演習15日「バリカタン02−1」が始まった。これに参加した米特殊部隊は、演習後もフィリピンにとどまると言われる。地下核実験の再開の危険性も指摘されている。ブッシュ大統領は、対前年度比260億ドル増(9%増)の軍事予算に署名した上で、「これは頭金にすぎない」と言い放ち、「戦争の年」と自ら明言した言葉にふさわしい戦争遂行態勢に入ろうとしている。 (2002.1.15.N)



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